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『真島満秀の写真美学』
2009年に急逝された鉄道写真家、真島満秀氏の追悼作品集といえる1冊である。 写真作品だけでなく、ご本人の文章、親しい人たちや自身の事務所の弟子たちの寄稿もある。 ソフトカバーでB5サイズだから、決して重厚なものではない。1ページに2枚を収めるとおおむね葉書大になる。ここは評価の分かれどころとは思う。 若干編集にぬるいところもあるかな、と思うのでその辺も気にするかどうかでも評価が分かれるとは思う。 とはいえ、真島氏の作品は文句なしに極上であり、ひとつの美学の神髄ともいえるもの。 季節と、人々と、そして風景と鉄道との関わりを、詩的にすくい取る叙情的な作風によって、ありがちな鉄道写真の枠を突き抜けたといえるのではないか? 改めてその写真を見てみると、鮮やかにして穏やかな絵には、音や匂いや風の流れさえ存在する。それらは見る者の五感に働き、五臓を響かせ、五体を包む。 そして、ところどころに写る真島氏ご本人のお姿は、洒落たいでたちの紳士であり、写真になる美学を実践しているようであった。 |
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